盗難装置があるから保険金は支払いません

周りの人に教えたのですが、皆さん知らなかったようなので紹介です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061117i207.htm

盗難防止装置つき車の盗難、不払い損保の敗訴相次ぐ
 「イモビライザー」と呼ばれる最新の盗難防止装置が付いた車の所有者が盗難保険の支払いを求めたケースで、「装置を搭載した車が盗まれるはずがないとして保険金の支払いを拒んだ損害保険会社が、裁判で敗れる事例が相次いでいる。

 損保業界では、自動車保険の特約などを巡り、大手6社で3年間に26万件、総額約162億円もの手続きミスなどによる不払いが発覚したばかり。車が盗まれたとする顧客を「保険金詐欺」と非難して慰謝料の支払いまで命じられたケースもあり、業界側の姿勢が改めて問われそうだ。

 イモビライザーは、キーに電子暗号を組み込むことにより、別のキーが差し込まれると車内のコンピューターが感知して、エンジンが始動しなくなる仕組み。合鍵をつくるなどして乗り逃げする手口の窃盗犯を封じ込めるのに有効とされ、日本では2000年ごろから高級車を中心に普及が始まった。

 この装置について、損害保険会社の多くは「搭載車なら盗まれる可能性は少ない」として、通常の保険料より5%程度を割り引くサービスを実施。その一方で、顧客から盗難の申し出があっても、「搭載車が盗まれるはずはない」と、支払いを拒否するケースが相次いでいた。
 2003年2月、大阪市平野区の男性は駐車場からベンツを盗まれたとして、警察に被害届を出すとともに、損保会社に保険金を請求した。しかし損保会社の社員は男性に面と向かって「保険金詐欺だ」と言い、支払いを拒否。このため男性は大阪地裁に提訴、今年8月、地裁は損保側に対し、保険金約800万円と“暴言”に対する慰謝料10万円の支払いを命じた。

 この裁判で損保側は「装置を破るのは不可能」としたが、係争中の今年2月、東京都内や埼玉県などで約800台を盗んでいた窃盗団が警視庁に摘発され、盗難車の中にイモビライザー付きの車も含まれていたことが明らかになった。この窃盗団は、標的にした車がイモビライザー付きの場合、車内に侵入したうえ、別の車のイモビライザーをコンピューターごと付け替える手口でキーを解除していたことも判明。地裁はこうした例を根拠に盗難が可能であると判断した。

 顧客の「レッカー車で盗まれた」とする訴えを受け入れず、支払いを拒否したケースもある。04年3月、大型4輪駆動車を盗まれたとして奈良県香芝市の男性が、大阪地裁に提訴。損保側は「男性が盗難を偽装した」と主張したが、地裁は「レッカー移動は可能」として、損保会社に500万円の支払いを命じた。

 さらに同様の判決は今年1月以降、大阪高裁、名古屋地裁で相次いで出され、今月6日には東京地裁でも「盗難の偽装だ」と主張した損保会社が敗れた。

 損保22社が加盟する日本損害保険協会は「搭載車でも盗難が明らかなら保険金は支払う。ただ、イモビライザー搭載車ではないものの、盗難を装った詐欺も現実に摘発されており、状況を調査したうえで総合的に支払いの判断をしている」と、支払い拒否はやむを得ないとの見解を示している。これに対し、大阪市の男性の代理人を務めた薬袋真司弁護士は「訴訟とはいえ、無実の顧客を詐欺呼ばわりするのはどうか。損保業界に支払いを渋る体質があるとしか思えない」と話している。

(2006年11月17日14時40分 読売新聞)


盗まれるはずがないのならそもそも保険入らないし、業者も入れるなよ。
(実際は盗難用の保険だけじゃないのでしょうが)

盗まれたって報告したら、
盗まれた証拠をもってこい! もってこれなきゃ、詐欺だ!
っていうことなんですよね、これ。
証拠もないのに詐欺呼ばわりして、保険金を払わない。どっちが詐欺なんだか。

疑う気持ちも分からないでもありませんが、保険業者ってその辺をちゃんと調査する人いないのかねぇ。
それも含めての商売だろうに。